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Antihero Office / ケースファイル 01|触れる人

硝子の向こうに灯るもの

StoryFork 試作見本

見たものを映す能力を持つ青年と、見られたくない少女。お題 #001 の試作見本。

治験の後、ユウの瞳は鏡になった。

目を合わせた相手が最後に見た風景を、彼も見る。便利だと人は言った。失くし物を探し、事故の証言を確かめる。けれど誰も、自分の見たくないものまで映されるとは思わなかった。

ある午後、ユウは事務所で少女と向かい合った。少女はずっと靴の先を見ている。

「見ないで」と彼女は言った。

ユウは目を閉じた。能力を使わずに人のそばにいる方法を、まだ習っていなかったからだ。

窓ガラスに、街の灯りが一つずつともる。少女は話し始めなかった。それでよかった。ユウは見ないまま、最後までそこにいた。

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