少年は舵から手を離した。
「僕が行きたい場所を、話してもいい?」
五人は夕食をやめて彼を見た。いつも誰かの選択を待っていた少年が、空の席に座る。
彼はポケットから、一枚の切符を出した。行き先は書いていない。母が最後に渡してくれたものだった。
「海のどこかに、この切符を使える駅があるらしい」
ミナは笑わなかった。地図の空白には、まだ何でも描ける。彼女は切符の形を、航海日誌に写した。
船長席に座った少年は、自分の名前を初めて話す。
少年は舵から手を離した。
「僕が行きたい場所を、話してもいい?」
五人は夕食をやめて彼を見た。いつも誰かの選択を待っていた少年が、空の席に座る。
彼はポケットから、一枚の切符を出した。行き先は書いていない。母が最後に渡してくれたものだった。
「海のどこかに、この切符を使える駅があるらしい」
ミナは笑わなかった。地図の空白には、まだ何でも描ける。彼女は切符の形を、航海日誌に写した。